sorae 主任相談員の松本が、昨年11月より 沖縄タイムス紙「たんぽぽのタネ」に
寄稿させていただいています。
soraeの相談業務を通して感じているコト、
子ども若者をとりまく困難や 支援のあり方など
sorae主任相談員として、臨床心理士として、”松本の目”をコトバにしています。
掲載された内容を、ご紹介していきたいと思います。
(今回はH27.12.9(水)掲載のものです)
~ 勇気だし小さな一歩を ~
sorae(ソラエ)に寄せられる相談の中で多いのが、不登校とニート、ひきこもりです。相談の最初の段階では、保護者や先生方が「怠けているだけなんでしょうか」と悩んでいることも少なくありません。
では、怠けているとは、どういう意味なのでしょうか。
私なりの理解ですが、やろうと思えばやれるけれど、やらないことを自分で選んでいる、ということになりそうです。
ここで周囲が考えることをやめてしめば、本人次第だね、となってしまうのですが、本当にそうなのか一歩進めて考えることが大切です。以下の2つの観点から本人の状態を考えてみましょう。
1つめは、動機の「必要性」です。勉強であれば、それが自分にとって役に立つと感じているかどうかです。
もう1つは「自信」です。勉強そのものに対する苦手意識がどれくらいあるのか。緊張してしまって集団でやっていけないといった事情はないか、ということです。
ソラエに来る相談では、必要性はある程度感じているけれど、自信がないという方々が圧倒的多数です。自信が持てない背景には、人には言えないいじめを体験している方も大勢います。
このような状態では、やろうと思えばやれる、といった精神論では先に進めません。人それぞれではありますが、いきなり高いハードルは難しいよねと周囲が理解を示すこと、そして、少し勇気を出せばできる「スモールステップ」を積み重ねていく必要があります。
多くの保護者や先生は「結局、次に何をやれば本人の自立につながるのか」と悩まれていると思います。
それぞれ難しい状況はあると思いますが、一歩進む一助となれば幸いです。
(子ども若者みらい相談プラザsoraeスタッフ/松本 大進)